口を開けると顎の関節がコキッまたはガリッとなる、口を大きく開けることができない、あごに痛みがある、こういった症状がある場合、「顎関節症」の可能性があります。
顎関節症は珍しいものではなく、二人に一人が人生の中で顎関節症を経験すると言われており、中には症状がひどくなって非常につらい思いをする人もいます。
今回は顎関節症の原因と治療法について見ていきたいと思います。
顎関節症の原因
顎関節症の原因はまだはっきりとは分かっていませんが、現在ではストレスが大きな原因として考えられています。
このほかにもかみ合わせの悪さや歯ぎしりといったことも関係していると言われており、実際には一つの原因からではなく、様々な要素が複合的に重なって起こっていると考えられます。
そのため、治療を行う場合には、どのようなことが原因となっている可能性があるのか、ということを見極めたうえで取り組んでいく必要があります。
顎関節症の多くは1年以内に症状が改善
顎関節症の症状が出ていても、いつのまにか症状が改善し、1年以内に症状がなくなるケースも多く、こういった場合にはあまり心配する必要はありません。
一方で、治療が必要なケースを放っておいてしまい、悪化して辛い症状へと変化してしまうこともあるため、だんだんと悪化していく兆候が見られる場合には注意が必要になってきます。
顎関節症の治療法
歯科で顎関節症の治療を行う場合、もし痛みがあるようであれば、必要に応じて痛み止めの処方、お口が開きづらくなっている場合には、お口を大きく開けられるようになるための理学療法を行うこともあります。
歯ぎしりが強い方の場合には夜間にマウスピースを装着する治療を行うこともあります。
もし、こういった治療を行っても痛みの症状が強い場合や、口が開きづらいといった症状がある場合には、専門機関に紹介して外科治療を検討することもあります。
ただし、顎関節症は心理的ストレスが根本的な原因となって起こっていることも多いため、患者さん自身がストレス解消に向けて取り組むことも必要になってきます。
症状が続く場合には歯科の受診を
顎関節症になっていても、痛みの症状がない場合、多くはそのまま様子をみていても改善していくと言われています。
仮に痛みの症状が出ている場合でも、ほとんどの方は1年以内に症状が軽快していきます。
このように、顎関節症は多くの場合、自然に改善していく心配のいらないケースですが、もしも症状が出て1〜2週間経過しても一向によくならず、悪化傾向にあるような場合は、一度歯科を受診してみることをおすすめします。