乳歯はいずれ抜けるので、永久歯と比べると、虫歯ができても軽くみられることがあります。ですが、実は乳歯の健康状態はその後の永久歯の状態に影響を及ぼします。
今回は、乳歯の虫歯を放置していると起こりうる永久歯への影響やリスクについてご紹介します。
永久歯の色や質を悪くすることがある
乳歯は小さく、虫歯の進行も早いので、虫歯が神経に到達してしまうことも少なくありません。そうすると、内部に細菌感染を起こし、その奥に控えている永久歯に変色を起こしたり、質を弱くしたりすることがあります。
永久歯の歯並びを悪くすることがある
乳歯の虫歯がひどくなって歯が崩壊したり、抜歯をしなければならなくなったりすると、できた隙間に周囲の歯が寄ってきて、永久歯の生える場所が足りずにずれた場所から生えてしまい、歯並びがガタガタになることがあります。
あごの骨の発育に影響する
虫歯が大きくなると、そちら側で噛めなくなるので、反対側だけで噛むようになり、あごの骨の発達が健全に行われなくなる可能性があります。
結果的に顔が非対称になるなどの影響が及ぶことがあります。
永久歯の虫歯リスクを高める
乳歯の段階で虫歯が多い口内環境を放置していると、永久歯になっても虫歯菌が多い状態が継続することになり、永久歯も虫歯にかかりやすくなる恐れがあります。
後から生える永久歯がないことがある
乳歯が抜けたら永久歯は当然生えてくると思われがちですが、実は10人に1人のお子さんは永久歯の本数が通常よりも少ないことがわかっています。
後継の永久歯がない乳歯は、生え変わるべき年齢になっても永久歯が近づいてこないので、他の乳歯のように通常のタイミングでは抜けず、30代くらいになって自然に脱落することが一般的です。
その後はインプラントやブリッジなどで歯を補う治療を行いますが、そのタイミングまで、乳歯が永久歯の代わりにしっかりと噛む役割、そして歯並びが壊れないようにする役割をする必要があります。
このような場合に早期に乳歯を虫歯で失うと、未発達な状態のあごにインプラントやブリッジの治療もできないので、困ったことになってしまいます。
このように、乳歯を健康に保つことは、健全な永久歯や歯並び、骨格を作るためにも欠かせないものです。
乳歯は一旦虫歯になると進行が早く、あっという間に神経に行くことも少なくないため、虫歯を作らないように予防に力を入れるのが一番です。小さなお子さんをお持ちの親御さん、これからお子さんが生まれるという方は、ぜひ参考にしてみてください。