~歯の神経の役割とは~
虫歯がひどくなって痛みを感じるのは、歯の中に入っている神経が痛みを感じているからです。このような話を聞くと、「歯の神経のせいで痛いんだから、いっそのこと神経がないほうがいいんじゃない?」と思う人もいるかもしれません。ですが、神経を取ってしまうと、色々と困ったことが起きてしまうんです。
歯の神経の役割
歯の神経は正式には「歯髄(しずい)」と呼ばれます。歯髄には次のような役割があります。
刺激を伝える
歯にかかる様々な刺激を感知し、脳に伝えます。
歯に酸素や栄養を送る
歯髄には毛細血管も入っていて、歯に酸素や栄養を補給しています。つまり、歯の神経は歯の異常を脳に伝え、健康に保ってくれているのです。
歯の神経がなくなるとどうなる?
歯の神経がなくなると、こんなことが起こってきます。
歯にバイ菌が入っても気がつかない
歯の神経がなくなると、歯に加わる刺激を感知できなくなるため、虫歯になっても「しみる、痛い」というような症状が起こらなくなります。そのため、せっかく歯が残っていても、根の奥まで虫歯が進んだり、根の奥が化膿したりする原因になります。
歯の寿命が短くなる
歯の神経がなくなると、歯に栄養がいかなくなるため、枯れ木のように歯が割れやすくなります。そのため、歯の寿命が結果的に短くなってしまいます。
歯の色が黒っぽくなる
歯の神経がなくなると、歯に酸素や栄養が供給されなくなるため、歯はツヤを失って黒ずみ、見た目にも悪影響が現れます。
歯の神経がなくなっても痛みは出ます
歯の神経を抜いたらもう歯が痛くならない、というのは間違いです。確かに歯の神経が痛みを感じることはなくなりますが、神経を抜いた歯の内部にバイ菌が入って、歯の周囲の骨に広がって化膿すると、とても強い痛みを起こします。歯の神経を守るためには、虫歯にならない、悪化させないことが大事です。日頃のお口のケア、歯医者での定期的なケアをして、大事な神経を守っていきましょう。