かみ合わせ治療とは
普段、かみ合わせについてそれほど意識することはないかもしれません。しかし、様々な体の不調がかみ合わせの問題から起こっていることもあります。かみ合わせ治療でかみ合わせを正常な状態に持っていくことで、以下のような体の不調が改善されることがあります。
お口の周辺に現れる症状
- 歯ぎしりや食いしばりをしてしまう
- お口を開け閉めする時にあごの関節から雑音がする
- お口を大きく開けるとあごの関節が痛む
- お口が大きく開けられない
- かんでいるとすぐにあごが疲れてしまう
- お口周囲の筋肉が痛い
- 奥歯に鈍痛がある感じ
全身的に現れる症状
- 頭痛、頭重感
- 肩こり、首のこり
- 耳鳴り
- めまい
- イライラしやすい
- 目が疲れる、視力低下
- 不眠症
- 冷え症
- 手足のしびれ
- 腰痛
- ヘルニア
- 高血圧症
- アレルギー
- 疲れやすい
お医者さんで診てもらってもこれと言って原因がわからず、「自律神経失調症」や「更年期障害」と診断されがちな以上のような症状が、実はかみ合わせの問題から起こっている場合というのは、実は珍しくありません。実際に、かみ合わせの治療を行うと症状が軽減するケースというのは多くあります。
ただ、以上のような症状があるからといって、すべてかみ合わせが原因かというとそういう訳でないケースももちろんあります。ただ、かみ合わせの問題をなくしておくことは、歯の健康、体の健康全体にとって良いことは間違いのない事実です。
かみ合わせ異常はお口の中にもトラブルを起こします
かみ合わせ異常は、上で挙げた症状を起こすことがありますが、それ以外にもお口の中に様々なトラブルを起こします。
知覚過敏
冷たいものや風などに敏感になり、強くしみることがあります。
歯の痛み
歯に異常な力がかかり、歯を支えている周囲組織が痛みを起こすことがあります。
歯の異常なすり減り
歯が強く擦れることによって、歯のすり減りが異常に進んで、中の象牙質が出てくることがあります。
歯周病の悪化
歯周病の直接原因は歯周病菌ですが、異常な力がかかると、歯周病が悪化しやすくなります。
歯・歯根の破折
歯が欠けたり、歯根が真っ二つに折れて抜歯を余儀なくされることもあります。
詰め物・被せ物・差し歯が外れる
歯に力がかかりすぎて、詰め物や被せ物、差し歯が外れやすくなります
頬や舌をかみやすい
かみ合わせの不均衡により、頬や舌をうっかりかんでしまい、口内炎もできやすくなります。
顎(アゴ)・顔(カオ)成長不全のページおよび こどものマウスピース矯正(口腔育成)のページも 参考にご覧ください。 |
かみ合わせ異常の原因は様々
かみ合わせの異常は様々な原因で起こりますが、子供の頃から徐々に起こっていることも多いものです。異常である状態が長年続いているほど、歪みが大きくなっているため、治療に期間がかかります。そのため、異常を見つけたら早めに対処をすることが肝心です。
かみ合わせ異常の原因となりうるもの
- 日常の癖(ほおづえ、いつも同じ側を下にして寝る、舌や唇で歯を押す癖)
- 口呼吸
- いつも決まった側でかむ
- 歯ぎしり・食いしばり
- 虫歯や抜歯した部分の放置
- 遺伝的な顎の成長異常
- 不良な歯科治療
- 矯正治療の失敗
- 悪い姿勢
かみ合わせ治療の方法
かみ合わせの異常は様々な原因で起こりますが、子供の頃から徐々に起こっていることも多いものです。異常である状態が長年続いているほど、歪みが大きくなっているため、治療に期間がかかります。そのため、異常を見つけたら早めに対処をすることが肝心です。
検査・診断
まずは、どのようなかみ合わせの異常があるかを検査していきます。顎の骨と歯のレントゲン撮影などの画像診断、お顔、姿勢を含めた全身の状態、お口の中の写真、歯型の模型、かみ合わせの記録、癖の有無、性格などを総合的に見た上で、診断を行っていきます。
治療計画の立案
かみ合わせ異常の状態により、どのような治療方法が適しているかを検討し、治療方針を患者様と相談した上で決めていきます。原因によって、大まかに次のような治療法が行われます。
■歯の矯正
歯並びやかみ合わせに大きなズレがある場合には、根本的に歯を並べなおす矯正治療が効果的です。
■かみ合わせの調整
歯並びやかみ合わせに大きなズレがある場合には、根本的に歯を並べなおす矯正治療が効果的です。
■スプリント(バイトプレート)による治療
スプリントと呼ばれるマウスピースを使い、顎関節に負担のかからないかみ合わせの位置を模索し、バランスを改善していきます。
■悪い癖や姿勢の改善指導
かみ合わせ異常を招く癖や、悪い姿勢がある場合には、それを改善するための指導を行います。
その後、治療を開始し、定期的に効果を確認しつつ、慎重に治療を進めていきます。
他医療機関とも連携して治療を行なっています
当院では、
・「AKA・博田法専門医」
・「はり、きゅう、マッサージ、指圧師」
・「病院口腔外科専門医」
といった、他医療機関とも協力して、かみ合わせ治療を実施しております。
また、「足と靴と姿勢」の指導も実施しております。
お気軽にお問い合わせください。
顎関節症・かみ合わせ治療
かみ合わせ治療の具体例
顎が本来あるべき位置になるよう、スプリント装置を調整していきます
<スプリント>
かみ合わせの治療として、スプリントによる治療があります。スプリントというのは、顎関節治療時に使用する、マウスピースのことです。マウスピースには歯ぎしり防止のものなど、色々ありますが、顎関節症治療に用いるスプリント(マウスピース)は、硬い素材のタイプのものを使用します。
<顎を正しい位置に持っていくことが大事>
スプリントを装着し、顎関節の位置が適正な位置になるように調整する必要があります。しかし、そのままかんでもらっても正しい位置に行くとは限りません。本来かむべきでない位置でかんでしまうと、その間違った位置に合わせて調整してしまうことになり、治療の効果が現れません。
<顎を正しく誘導することで得られる効果>
顎の位置の正しい誘導の仕方は日本には大学でも教えられることがほとんどないため、残念ながら実践できる歯科医師がそれほど多くないようです。しかし、本当に正しい位置に顎の位置が調整されれば、顎関節や歯へのダメージが緩和されていきます。そして歯やお口周囲の不快症状が軽減されていき、これまでにない、素晴らしいかみ心地が得られ、体の調子もよくなっていくのを実感できることでしょう。
かみ合わせと顎関節症
顎関節症は誰にとっても無関係ではありません
かみ合わせと顎関節症は切っても切り離せない関係にあります。顎関節症というのは、「顎の痛み」「顎関節の雑音」「お口が大きく開けられない」というような症状を主とする、顎の関節や筋肉に症状を起こすものをいいますが、一生のうち二人に一人は経験すると言われているほど、ありふれたものです。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、決して誰にとっても無関係なものではありません。
ただし、顎関節症になっても全ての方が治療を必要とするわけではなく、軽度で日常生活に支障が出ない程度で済む人もいます。ですが、中には悪化し、生活の質を著しく下げてしまうこともあります。
顎関節症は「不治の病」?そうでないこともあります
顎関節症というのは、原因不明とも、ストレスが原因であると言われることも多く、精神的なもの、不治の病的なものとして片付けられてしまうことも珍しくありません。それゆえ、適切に治療がなされぬままのケースも少なくありません。
しかし、顎関節症はかみ合わせの不具合からきているケースも多く、その原因をしっかりと解決することでかなりの確率で治ることも多いのも事実です。
実際、顎関節症でお悩みの方は、歯ぎしりや食いしばり、かみしめ、というような癖を持っていることが多いものです。まずはこれらの癖を意識して治していくことが大切です。
かみ合わせをなおすことで、顎関節症や他の不快症状が軽くなることも
そのような異常な力は顎関節症だけでなく、かむ筋肉につながる首や肩、頭部の筋肉のコリや痛みも引き起こしますし、歯にも過大なダメージを与え、歯の寿命を縮めてしまうことになります。そういった意味でも、かみ合わせの異常を取り除いていくことは非常に大事なのです。
かみ合わせのズレってどういう状態?
かみ合わせのズレとは、一体どういう状態を言うのでしょうか?自分自身がしっくりくると思うかみ合わせなら、ズレていない状態だと言えるのでしょうか?
実はそうではありません。
こちらの図をご覧ください。
赤丸のところは上下の歯のかみ合わせの部分です。青丸の部分は顎の関節部分です。顎関節は耳の少し前の部分に位置しています。
顎の関節というのは、下顎の「下顎頭」という突起部分が、上顎の関節窩の部分に収まっている形になっています。現在の図の状態は、顎関節の状態が良い状態、つまり、かむ筋肉のちょうどバランスのとれた良い位置関係になっています。ただし、上下の歯はかみ合っていません。
歯をかみ合わせてみます。すると、どうでしょう。顎がずれ、顎関節に変化が現れました。つまり、かみ合わせるためには本来あるべき位置よりも顎を前に出さなければなりません。
図の中の顎を支えている3つのバネは、かむ時に使う筋肉を表していますが、このように、かむ筋肉が必要時以外の時にも常に前に引っ張られてしまうので、筋肉が過度に緊張した状態になってしまいます。この状態を放置しておくと、顎関節症を引き起こしてしまう原因となるのです。 ちなみに、この図では2次元的に筋肉の位置が表現されていますが、実際は、筋肉というものは立体的に3次元方向にも伸びているため、左右のズレというものも加わってきます。
こちらはかみ合わせの位置がズレていない正常な状態です。かみ合わせがしっかりと合っていて、顎関節も正しい状態に位置しています。
かみ合わせの治療のゴールはこの状態、つまり、歯の位置、顎関節の位置、筋肉のいずれにも負担がかからない状態を目標に進めていきます。
〜こんな症状があればかみ合わせ治療が必要かも〜
以下のような症状がある場合、かみ合わせの治療が必要かもしれません。当てはまる項目があるほど要注意です。
- お口が大きく開けられない
- 口の開け閉め時に顎関節から雑音がする
- かむと顎関節近くの筋肉が痛い
- 頭の横の部分の筋肉が痛い
- 偏頭痛もち
- こめかみの辺が痛いことがある
- 食べる時によくかむと疲れる
- 朝起きた時、顎がだるい、口が開きにくい
- 肩や首がこっている
- 集中したり、力を入れる時に歯を食いしばってしまう
- 歯が異常にすり減っている
かみ合わせ・顎関節症の治療法
当院では、歯と顎関節がストレスなく、かつ周囲の筋肉のバランスのとれた状態にすることを目標に治療を行います。
かみ合わせ治療は保険治療での対応が難しいため、自費治療としての対応になる場合が多くなります。
<治療の流れ>
Step1:ご相談無料
お体の不調や悩みなどについてご相談を承ります。
Step2:精密検査(1)検査5,500円(税込)~ (2)診断料33,000円(税込)~
精密検査を行います。精密検査の内容としては、かみ合わせのズレのチェック、歯1本1本の形のチェック、顎関節や筋肉の状態の分析といったものが含まれます。
Step3:スプリント・矯正治療
スプリントを作製、装着し、顎関節の状態、顎の筋肉がリラックスする状態を見つけ出します。これにより顎の動きがスムーズになり、様々な不快症状に改善が現れてきます。
Step4:かみ合わせ調整+かみ合わせの再構築
顎の本来の動きを妨げるような歯のかみ合わせ調整、被せ物などによりかみ合わせの再構築などを行います。場合によっては矯正治療をお勧めする場合もあります。その後、調子を見ながら必要に応じて微調整を繰り返します。安定したら、定期的なチェックを行い、良い状態が保てるように経過観察を行います。
顎が痛くてお口が開きにくい場合の対処法
お口を大きく開けようとすると痛みが出て開けられない、というような場合には、筋肉の過度の緊張が起こっていると考えられます。そのため、筋肉の緊張を和らげる飲み薬を処方する場合があります。 その後、ある程度お口が開けられるようになったら、小さな装置を作製し、使用していただきます。さらなる改善が見られたら、上でご説明した、かみ合わせ治療に入っていきます。
費用について
かみ合せ治療は自費治療になる場合が多いです
相談費 | 無料 |
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精密検査費 | 5,500円(税込)~ |
診断費 | 33,000円(税込)~ |
治療費 | 装置1個55,000円(税込)~ |
リスクと副作用について
患者さんによっては適応せず、効果があまり現れない事もあります。
精神科・メンタルクリニック等 通院・入院歴のある方へ
まず、精神科主治医の先生に病状を確認させていただいた後に、治療を開始させていただく事があります。その際、若干の手数料がかかります。
精神科・メンタルクリニック等 通院・入院歴のある方は、事前に必ずその旨をお申し出ください。精神的病気が原因となっている噛み合わせの症状については、歯科的加療だけでは対応が難しい事があります。