ストレスが体に良くないということはよく知られていますが、お口の健康も悪化させることがあるのをご存知ですか?今回はストレスがお口や歯に与える影響、そしてその対策についてご紹介します。
ストレスでお口にどんな影響が現れる?
唾液の分泌が減る
ストレスを感じると、自律神経が興奮した状態となり、唾液が出にくくなります。唾液はお口の健康を守るさまざまな役割を果たしているため、唾液が減少することで色々な不具合が出てきます。
歯ぎしりが起こりやすくなる
ストレスが多いと歯ぎしりが起こりやすくなります。歯ぎしりというのは、眠っている間に無意識に行うものですが、体重以上の力がかかり、歯や周囲の組織に多大なダメージを与えてしまいます。
ストレスで起こるお口の悪影響
ストレスが多い状態では次のような悪影響が起こる可能性があります。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
ストレス過多で唾液が減ると、唾液の自浄作用や免疫作用、抗菌作用などの恩恵が受けられなくなるため口内環境は一気に悪化します。その結果、歯磨きをしているのにもかかわらず、虫歯や歯周病にかかりやすくなるという事態に陥ります。
詰め物・被せ物・差し歯の脱落、歯の破折
ストレスで歯ぎしりなど、歯に強い力がかかりやすくなるため、詰め物や被せ物、差し歯が取れやすくなったりします。また歯が割れてしまうこともあります。
顎関節症を起こしやすくなる
ストレスによる夜間の歯ぎしりに加え、日中にも歯をグッと食いしばることが多くなるため、顎の関節や周囲の筋肉の不調を起こす「顎関節症」を起こしやすくなります。
ストレスによるお口の悪影響への対策
ストレスを感じるとすぐお腹が痛くなったりするように、実はお口への影響というのも意外と出ているものなのです。ですが、ストレスによって歯を失ってしまう、というようなことはできるだけ避けたいものです。
根本的な解決法は、ストレスを緩和する方法です。とにかく現代人は毎日忙しく、気持ちをゆったりと落ち着ける時間もなかったりするので、できれば、一日に30分でもリラックスして自分の好きなことをできる環境にすることはとても大事です。それだけでも随分違います。
また、日中の食いしばりを意識して避けること、そして夜間の歯ぎしりへの対策としては歯ぎしり用のマウスピースを装着するのがおすすめです。これにより、歯へのダメージを緩和し、顎関節症への効果も期待できます。
虫歯や歯周病対策には、毎日の歯磨きを丁寧にやるのに加え、数ヶ月に一度、歯科で検診・クリーニングを受けるようにすると良いでしょう。